三井不動産は、バニッシュ・スタンダードと連携し、来館客からスタッフへ感謝を届ける「Thanks STAFF」を、グループが運営する全国50の商業施設に導入する。開始時期は2027年1月中旬で、順次展開する予定だ。ららぽーと海老名での実証導入を経て、本格導入を決めた。

「Thanks STAFF」は、バニッシュ・スタンダードが提供する「ありがとうポスト」の仕組みを活用した取り組み。来館客は、接客を受けたスタッフに対して花束のスタンプを送り、任意でメッセージを添えられる。送られたスタンプやメッセージは、店舗スタッフ向けスマートフォンアプリ「STAFF START」を通じて本人に届ける。

本格導入では、前日分の感謝の件数とメッセージを、スタッフ一人ひとりのアプリへ毎日自動で配信する。実証導入時は、週次レポートを店長経由で共有していたが、本人がアプリで直接確認できる方式に変更する。

ららぽーと海老名での実証導入は、2025年10月から2026年1月にかけて実施した。発表によると、スタッフへの調査では、導入前と比べて仕事継続意向が8.6%、働くモチベーションが8.9%向上した。また、施策への再参加意欲を尋ねたところ、78.7%が参加したいと回答した。

実証期間中に来館客から集まったコメントの99.9%は、肯定的な感謝の内容だったという。感謝の送り先は、アパレルなどの物販店舗のスタッフに加え、館内の清掃スタッフ、駐車場などで働く警備員、総合受付スタッフにも広がった。

施設では通常、総合案内所や代表電話、ウェブフォームなどを通じて問い合わせや意見を受け付けている。一方、スタッフへの感謝や褒め言葉が寄せられる機会は多くなかったとして、今回は感謝を送ることを目的とした窓口を設けた。

売上については、実証導入に参加した159店舗の前年同期比が104.9%となり、不参加の79店舗の103.1%を1.8ポイント上回った。客数と客単価も、参加店舗の方が高い数値だったと発表している。

実証導入では、スタッフへ感謝を送った来館客に、別店舗で使えるクーポンも配布した。両社は、接客やクーポンによる施設内の買い回りが売上に影響した可能性を挙げており、今後も検証を進めるとしている。

三井不動産は、この取り組みを通じて従業員満足度の向上を目指す。来館客の声をスタッフ本人へ届けることで、接客の手応えや働きがいにつなげる方針だ。

バニッシュ・スタンダードは今後、感謝のメッセージへの返信機能や、他のテナントの店舗・スタッフ・商品を紹介し合う機能なども展開する考えを示している。施設内の店舗間で、来館客を案内し合える関係づくりを進めるとしている。

三井不動産グループの商業施設では、このほかにも館内休憩室の整備・改善、スタッフ限定のポイントアップ施策、匿名で専門家に相談できるカウンセリングサービスなどを実施している。今回の導入も、施設で働くスタッフに向けた施策の一つとなる。

出典:株式会社バニッシュ・スタンダード プレスリリース