株式会社ニュートリベースは、無味無臭の栄養パウダー「Ayo」のシンガポールでの展開を開始した。同社にとって初の海外市場への進出にあたる。
現地では、公的枠組み、共同開発、販売の3つを同時に立ち上げ、東南アジア展開の拠点と位置づける。
現地の老舗菓子ブランド「一口味(Yikowei)」と共同開発した「SJ60 Ayo月餅」は、在シンガポール日本国大使館の承認を得て、日本とシンガポールの外交関係樹立60周年の公式記念商品に採用された。2026年9月17日には同大使館の協力のもと、シンガポール中心部のJapan Rail Caféで発表会を開いている。
商品の概要は次のとおり。種類は低糖白蓮蓉と黒ごまの2種で、1個あたりAyoを3g配合する。価格は4個入りで52シンガポールドル。販売場所はJapan Rail Café、販売元はVintage Management Pte Ltd.が担う。
同社が提唱するのは「調栄料」という考え方だ。食べるものを変えるのではなく、いま食べているものに味を変えずに栄養を足すという発想にもとづく。Ayoは無味無臭で無着色のため、料理や加工食品に加えても風味を損なわないという。国際特許を出願している。
背景には、摂取カロリーは足りていてもビタミンやミネラルといった微量栄養素が不足する「隠れ栄養不足」の広がりがある。同社は、長年の食習慣を変えることが容易ではない点を踏まえ、このアプローチを採った。
月餅を選んだ理由についても説明がある。月餅は中秋節に贈り合う菓子で、シンガポールでは年間を通じて最も贈答が集中する商材の一つに挙げられる。一方で糖質の高さが健康面の課題として指摘されてきた。本商品では低糖の餡を採用したうえで、味を変えずに1日分の栄養を加えた。
同社によれば、この考え方を海外の伝統菓子に適用したのは本商品が初めてにあたる。
国内での実績も示されている。Ayoは2023年の発売以来、累計販売数が100万食を突破した。2026年5月時点の数字になる。2026年6月からはアカチャンホンポ全店とイオングループ約300店舗で販売し、同年9月には栄養機能食品としてリニューアルした。2026年8月にはインキュベイトファンドから5,000万円を調達している。
今後は、現地の食品メーカーや菓子ブランドとの共同開発商品の拡大、オフィスチャネルと小売チャネルでの販売拡大、周辺国への展開という3つを進める。あわせて、国内外の食品メーカー、菓子ブランド、外食事業者を対象に、Ayoを素材とした共同開発のパートナーを募集している。