サンクトガーレン有限会社は、秋冬限定の「アップルシナモンエール」を2026年10月8日から発売した。内容量は330ml、希望小売価格は税込539円だ。原料には長野県伊那市産の「傷リンゴ」を使う。
傷リンゴとは、枝や風による擦れ、割れ、形や色の不揃いなどで出荷できない果実を指す。同社はこれを買い取り、ビールにアップサイクルする形を採った。台風被害を受けた年には、その果実も活用している。関係者によれば、傷リンゴは年によって収穫全体の約3割に達するという。
製造工程は2日に分かれる。初日に厚木市内の製パン店のオーブンを使い、傷リンゴ約500個を丸1日かけて焼きリンゴにする。翌日、その焼きリンゴを使って仕込みを行う。使用量は1回の仕込みで約500個、シーズン全体では2,500個から3,000個を予定している。
味は、軽く焦がした麦芽「カラメルモルト」をベースに据えた。焼きリンゴとシナモンが合わさり、アップルパイを思わせる味わいになるとしている。なお、酒税法上の「ビール」の範囲を超える量の果物を使うため、品目は「発泡酒」にあたる。
使用する品種は月によって変わる。10月はつがる、ジョナゴールド、紅玉、シナノスイート、11月はふじを使う。収穫時期に応じて原料が切り替わるため、同じ商品でも時期によって味の出方に違いが生じる構成だ。
他社の設備を借りて下処理を行う点も、この商品の作り方の特徴になる。リンゴを焼く工程は醸造設備では担えないため、市内の製パン店のオーブンを使っている。規格外の原料を扱う場合、下処理の手間が通常の原料より大きくなるため、外部の設備を使う形は現実的な解になる。
販売場所は直営オンラインショップのほか、小田急百貨店新宿店、東急百貨店たまプラーザ店、ながの東急百貨店などだ。発売日以降は公式サイトで随時更新される。取り扱いのあるビアバーでも提供される。
あわせて、ハロウィンラベルも期間限定で販売する。リンゴにジャック・オー・ランタン風の顔を描いたデザインで、10月8日から10月末までの扱いとなる。ハロウィンギフトにも適しているとしている。ラベルの取り扱いは店舗によって異なる場合がある。
中身を変えずにラベルだけを差し替える形は、季節商材の売り方として負担が軽い。同じ商品を期間限定の体裁で並べられるため、贈答用の需要も拾える。
提供の場としては、本厚木駅北口の直営店「サンクトガーレン タップルーム」がある。樽生で20種類のビールを提供し、石窯で焼くピザも扱う。営業時間は日曜から木曜が12時から22時まで、金曜・土曜・祝前日が12時から23時までだ。
このほか、2026年10月10日と11日の「あつぎ鮎まつり」、11月20日から22日に池袋サンシャインシティ展示ホールA・Bで開かれる「ニッポン全国物産展」にも出品する。
サンクトガーレンは、日本で地ビールが解禁される前からアメリカで小規模醸造を行っていた「元祖地ビール屋」とされる。製造はエール一貫で、フルーツビールにも力を入れている。香料に頼らず果物本来の風味を引き出すため、規格外の「訳あり果物」を使っており、これが食品ロス削減につながるとしている。