ペッツオーライ株式会社は、ペット同伴のお出かけ支援アプリ「Wan!Pass」と連携したサンプリング自動販売機「Wan!Pass Vender」の提供を開始した。愛犬家ユーザーだけを対象とする仕組みで、特許を出願中としている。
利用の流れは、愛犬家がWan!Passアプリで自販機のQRコードを読み取り、ペットフードやケア用品のサンプルを無料で受け取る形だ。施設スタッフの対応は不要で、無人で配布できる。
この仕組みで押さえておきたいのが、場所を提供する側の条件だ。施設は場所と電源を提供し、配布数に応じた収益を得る。あわせて、アプリのマップに設置施設として掲載される。
場所と電源だけで済む形は、受け入れる側の負担を抑える構成になる。商品を仕入れて売る場合は在庫を抱え、レジでの対応も必要になる。サンプルの受け入れであっても、手渡しであればスタッフが説明する時間が生じる。無人の自販機であれば、設置の場所を決めて電源を引くところまでで運用に入れる。
背景として、施設側が少人数運営でサンプルの受け入れや物販に人手を割けない状況があると挙げられている。カフェやドッグランのような施設では、接客と清掃に人員が充てられ、別の業務を追加する余裕が限られる。人を介さない配布の形は、この制約と噛み合う。
アプリのマップへの掲載も、収益とは別の効果になる。ペット同伴可能な店や施設を探す場合、どこが対応しているかを調べる手間が生じる。アプリ上に設置施設として載れば、犬を連れて出かける場所を探している層に見つけられる。自販機の設置が、そのまま施設の告知につながる構造だ。
メーカー側の課題についても整理されている。従来のサンプリングでは費用対効果を測りにくく、イベントでの手渡しは人件費がかさみ、郵送は送料がかかるという指摘だ。
アプリと連携する形では、配布履歴と登録情報を紐づけて、受け取った人の属性をデータで把握できる。年代、居住都道府県、犬種、犬の年齢などが対象で、ユーザーの同意を得たうえで提供されるとしている。
サンプルを配った後に誰が受け取ったかが分からないという状態は、販促の効果を検証する際の壁になる。店頭で手渡す形では、受け取った人の属性を記録する手段がない。アプリの登録情報と結びつけば、どの層に届いたかを後から確認できる。犬種や犬の年齢まで分かれば、商品の対象と実際の配布先が合っていたかも見られる。
配布の対象を愛犬家ユーザーに限っている点も、サンプリングの性質に関わる。アプリを通じてQRコードを読み取る形であれば、犬を飼っていない人が受け取る余地がない。設置先をペット同伴可能な施設に絞れば、その場にいる人の多くが対象に当てはまる。
初期の設置先は「GRASS てんしば店」と「WHATAWON」の2施設だ。今後は他の愛犬同伴可能施設へ順次拡大する予定としている。初回のラインアップはペットフード・おやつメーカーのサンプルとなる。
ペッツオーライは2020年9月設立で、本社は東京都中央区にある。