株式会社ファーストリテイリング・プロパティが運営する商業施設「ミーナ町田」は、地域連携の体験プロジェクト「やってみようメイト」を始動した。同社として初の地域連携体験プロジェクトにあたる。所在地は東京都町田市原町田になる。
目的は、ミーナ町田を起点に町田の人、活動、地域資源と多様なテナントをつなぎ、来館のきっかけをつくるとともに、町田の街全体への親しみや愛着を育てることだ。連携先には地域団体、教育機関、施設テナント、外部企業、大学が挙げられている。
プログラムはクリスマスや新生活・新学期などの季節企画、施設テナントによるワークショップや体験教室、特別体験企画になる。対象は子どもから大人までで、期間は明記されず継続的に展開するとされている。実施場所は館内に加えて町田市所有の広場も活用し、館外にも体験や交流の場を広げる形だ。運営面では学生による運営サポートや、各コミュニティでの告知・共同発信が行われる。
この企画で押さえておきたいのが、施設の構成だ。ミーナ町田の売場面積は約12,350坪で、テナント数は13(2026年10月31日時点)になる。1テナントあたりの平均は950坪、約3,140平方メートルの計算だ。一般的な商業施設では専門店が数十坪の区画に入る形が多く、テナント数が数十から数百に達する構成になる。これに対して13テナントで12,350坪という形は、1つのテナントが大型店として区画を占める構成だ。衣料品の大型店のように1フロア規模を使う業態が中心になる形と読める。
このテナント数の少なさが、地域連携のプロジェクトを成立させる条件にもなる。施設テナントによるワークショップや体験教室を企画する場合、各テナントとの個別の調整が必要になる部分がある。実施の日程、場所、人員、内容をテナントごとに詰める工程で、テナント数が数百あれば全店との調整は現実的でない構成だ。13テナントであれば全店と個別に話を進められる形になる。一方で選択肢は限られる構成で、業種の幅が狭ければ企画の内容も偏る部分がある。地域団体や大学、外部企業を連携先に加えているのは、この幅を補う形とも読める。
町田市所有の広場を使う点も施設運営としては踏み込んだ構成になる。商業施設の企画は自社の敷地内で行う形が基本だが、市の所有地を使えば施設の外に出る形になる。自治体との調整が必要で、使用の許可や安全の管理といった工程が生じる部分がある。一方で館内だけでは接点を持てない層に届く構成でもある。買い物を目的に来館する客ではなく、広場を通りかかる人や広場に集まる人が対象に入る形だ。来館のきっかけをつくるという目的と対応する構成になる。
学生による運営サポートも人員の面で意味がある。体験プログラムやワークショップは当日の進行に人手を要する形で、施設の運営スタッフだけでは回らない部分がある。連携先に教育機関と大学が入っており、学生が運営に加わる構成だ。施設の側から見れば人員の確保になり、学生の側から見れば運営の経験を得る形になる。地域の大学と組む形であれば継続的な体制になる部分もある。
再来館の仕組みを組み込む点も設計として示されている。同社は一度きりで終わらせず、再参加や再来館につながる仕組みを取り入れるとしている。体験型のイベントは当日の集客には効くが、参加した客がその後も来るとは限らない構成だ。季節ごとの企画を並べる形であれば、次の企画を案内する経路が生じる部分がある。クリスマス、新生活、新学期という季節の区切りを挙げる形は、年間を通じた接点をつくる構成と読める。
駐車場の規模も施設の条件を示している。契約駐車場「まちだターミナルパーキング」の収容台数は約530台で、売場面積12,350坪に対して1台あたり約23.3坪、約77平方メートルの計算だ。駅に直結する立地であれば車以外の来館が中心になる部分があり、駐車場の台数は郊外型の施設に比べて少ない構成になる。
交通の条件も2つの鉄道駅に接する形だ。JR横浜線の町田駅はターミナル口に直結し、中央口からは徒歩5分、小田急電鉄の町田駅からは徒歩7分になる。2駅の差は2分で、どちらからも歩ける構成だ。車では東名高速道路の横浜町田インターチェンジから国道16号と県道51号を経て約6.5kmの距離になる。営業時間は10時から21時までの11時間で、一部店舗は異なる。
グループとして初の地域連携体験プロジェクトという位置づけも見ておきたい。衣料品の小売を主体とするグループが商業施設の運営を手がける構成で、施設としての集客の施策は小売店の販促とは異なる形になる。テナントの売上を上げるには来館者そのものを増やす必要があり、商品の販促とは別の手段が求められる部分がある。地域との連携という形はこの領域にあたる構成だ。
株式会社ファーストリテイリングの設立は1963年5月で2026年10月時点で63年5か月になる。本社は山口県山口市佐山、代表者は柳井正氏、資本金は102億7,395万円だ。