米スターバックス(Starbucks)は2026年9月21日、同社の最高技術責任者(CTO)を務めるアナンド・バラダラジャン氏(EVP、チーフ・テクノロジー・オフィサー)が、まずテクノロジー部門の社員に向けて送り、その後公式サイトでも公開したメッセージにより、インドに新設するテクノロジー拠点の所在地を、南部の都市チェンナイに決定したと発表した。同氏は「2027会計年度(FY27)中の開設を計画している」とした上で、社内向けに送った詳しいメッセージの全文もあわせて公式サイトに掲載している。

バラダラジャン氏によれば、スターバックスのテクノロジー部門は今年に入り、複数拠点を活用する「マルチサイト戦略」の次なる一歩として、インドに新たな拠点を設ける計画を進めていることをすでに社内で共有していたという。当時は具体的な所在地を検討している段階にあり、決定次第あらためて共有するとしていたが、今回チェンナイを選定したことを正式に伝えた。

新拠点は、米国をはじめとする世界各地の技術部門・事業部門と密接に連携しながら、スターバックスのグローバル事業を支える役割を担う。同社はすでにインドや他の国々の技術ベンダーと緊密に協働しているが、インド国内に自社のテクノロジー拠点を設けることで、これまで外部の第三者サービスプロバイダーが担ってきた業務を段階的に社内へ取り込み、パートナーや店舗、顧客を支えるために必要な能力と人材をより強固にしていくとしている。バラダラジャン氏は、これをより柔軟でグローバルに連携したテクノロジー組織を築いていく上での重要な節目だと位置づけ、事業内容や優先事項、企業文化とのつながりをより強固にする機会になると説明した。

チェンナイを選んだ理由としては、高度な技術人材が豊富に存在すること、人材の定着率が高いという評価があること、長期的な事業ニーズを支えられる体制であること、そしてスターバックスが技術部門の拠点をすでに置くシアトル、ナッシュビル、ロンドン、香港といった各拠点の働き方との親和性が高いことなど、複数の要素が総合的に考慮されたという。バラダラジャン氏は、新拠点は独立した別組織としてではなく、スターバックスの技術部門全体の一部として位置づけられると強調し、複数拠点をまたいでつながり、共通の優先事項に集中するチームづくりを通じて、パートナー(従業員)や店舗、顧客への提供価値を高める狙いがあると説明した。

現時点ではまだ初期段階にあり、今後数カ月かけて現地採用や拠点の整備、新拠点を支える業務運営の仕組みづくりを進めていく計画で、採用活動は第1四半期に開始する見込みだという。具体的な採用人数や着任時期といった詳細は、計画の確定に伴って今後あらためて共有するとしている。

バラダラジャン氏は、こうしたマルチサイト体制への移行は組織のあり方における大きな変化であることを認識しているとした上で、拠点をまたいだ明確さや意図的な連携、各拠点での強いリーダーシップが求められると強調し、今後も取り組みの進捗について率直にコミュニケーションを続け、何が変わり、何が変わらないのかをチームが理解できるようにしていくと述べ、メッセージを締めくくっている。今回の発表は、9月10日に公開されたニコルCEOによる「バック・トゥ・スターバックス」2周年メッセージに続くもので、同社が経営再建の取り組みと並行して、グローバルなテクノロジー基盤の強化にも力を入れている姿勢がうかがえる。

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