株式会社富士薬品は、大阪府泉南郡熊取町と「防災・災害に関する包括連携協定」を2026年9月28日に締結した。同日、熊取町役場で協定締結式が行われた。
配置薬販売事業を通じた自治体との協定締結は58例目、大阪府内では2例目となる。
今回の協定は、名称に防災・災害を掲げている点が特徴となる。同社がこれまで締結してきた協定の多くは「地方創生に関する包括連携協定」という名称だった。目的についても、災害時の迅速な対応と平時からの防災対策の強化をはかることで、町民の生命と健康を守り、地域の安全・安心の向上に貢献することとしている。
協定は4項目で構成される。防災・災害対策、健康づくりの推進、高齢者等の見守り、その他協議して必要と認めることだ。いずれも、取り組み内容を熊取町と協議のうえ実施するとしている。
防災・災害対策の項目では、町の公共施設等への配置薬設置支援、避難所開設時の医薬品提供、営業員の定期訪問を生かした防災・災害対策に関するチラシ配布が挙げられている。
健康づくりの項目では、営業員が定期訪問時にOTC医薬品の適正使用や、生活習慣病、季節ごとの疾患予防に関する啓発を行うとしている。配置薬の営業員は、厚生労働省の定めにより原則として登録販売者の資格を有している。
高齢者等の見守りの項目では、営業員が高齢者宅を訪問した際の声掛けや相談対応、季節に合わせた健康情報の提供、健康診断の受診勧奨を挙げている。
事業規模としては、熊取町内の家庭と企業を合わせて約850軒が同社の配置薬を利用している。
協定の背景として、熊取町側の事情も示されている。同町では、災害時の緊急対応や日頃の防犯活動、地域文化の継承において地域コミュニティの役割が重要となっている一方、人口減少や少子高齢化によりコミュニティの維持が困難になる可能性があるとしている。町は「熊取町協働憲章」のもと、まちづくりのあらゆる主体による「協働のまちづくり」を推進している。
同社は、配置薬販売の事業活動を通じて町民の暮らしに接していることに加え、一軒一軒訪問する営業スタイルが町の取り組みに役立つと考え、締結に至ったとしている。
同社は1930年に富山県富山市で配置薬販売業として創業し、現在は配置薬販売事業、ドラッグストア・調剤薬局事業、医薬品製造事業、医療用医薬品販売事業を展開している。グループ全体で日本全国に1,285店の「セイムス」ブランドを中心としたドラッグストアを展開しており、2026年3月末時点の数字となる。