TOPPANホールディングス株式会社は、グループ会社のTOPPAN株式会社を通じて、液体用の量り売りシステムの提供を2026年10月から開始した。対象はスーパーマーケットや量販店などの小売業で、家庭用洗剤やシャンプーといった液体製品を想定している。
システムの構成は2社の製品を組み合わせたものだ。液体容器にはTOPPANの大容量向け複合容器「TL-PAK」を採用し、計量器には寺岡精工の「減算式セルフはかり」を使う。
利用の流れは、来店客が自分のボトルに液体を注ぎ、容量と金額、決済用バーコードなどを記載したラベルを発行して貼り付ける形だ。注いだ分のラベルが自動で発行されるため、購入後に改めて計量する手間が生じない。レジでの対応を通常の商品と同じにできる点が、運用面での利点になる。
同社が挙げる特長は3点ある。1つ目が液だれの防止で、注ぎやすい湾曲ノズルと液だれしにくいコック構造を採用した。2つ目が残渣の抑制だ。特殊な穴あきパイプで内袋の閉塞を防ぎ、残渣を従来製品の約10%に抑えたとしている。動力は使わない構造で、動力を使わない従来の「TL-PAK」との比較による自社調べの数値だ。
閉塞現象とは、内容物が減るにつれて内袋のフィルムが密着し、注ぎ口を塞いでしまう現象を指す。これが起きると袋の中に液体が残り、取り出せない分が発生する。残渣が減れば、店舗側の廃棄ロスも下がることになる。
3つ目が計量作業の負荷軽減だ。減算式の計量器を使うため、初めての利用者でも操作しやすい設計としている。減算式は、あらかじめ全体の重量をセットし、注いだ分の減少重量から購入量と金額を算出する方式にあたる。
導入にあたっては、店舗ごとの設置スペースや動線に合わせた専用什器の設計と制作まで一貫して支援する。量り売りの売場は既存の棚とは別の設置場所が必要になるため、什器の設計まで含めて請け負う形は導入側の検討を進めやすくする。
開発の背景として挙げられているのが、プラスチック資源循環促進法の施行と海洋プラスチックごみ対策だ。詰め替えボトルを繰り返し使える量り売りへの注目が高まっている。一方で、従来の量り売りには注ぎにくさ、液だれ、残渣の多さという課題があり、普及が進んでいなかった。
売場に置く側から見れば、液だれは床や什器の汚れと清掃の手間に直結する。使い勝手の悪さは、一度試した来店客が繰り返し使わない原因にもなる。今回の改良点が、いずれも運用上の負担に関わる部分に向けられている点は押さえておきたい。
TOPPANは、まず洗剤やシャンプーなどのトイレタリー製品を中心に展開し、2027年までに3億円の売上を目指すとしている。食品・飲料業界向けの商品についても開発を検討する。
システムは「TOKYO PACK 2026(2026東京国際包装展)」で展示される。会期は2026年10月14日から16日まで、会場は東京ビッグサイト東ホールで、TOPPANのブースは東2ホールの2R10だ。主催は公益社団法人日本包装技術協会となる。
協働する寺岡精工は東京都大田区に本社を置き、1925年創業。流通小売、食品製造・加工、ロジスティクス、飲食・専門店の4分野で事業を展開している。