株式会社カインズは、木造住宅用建築副資材の専門商社であるソニテック株式会社の発行済株式すべてを取得する株式譲渡契約を締結した。契約の締結日は2026年9月18日で、相手方はNMC四号投資事業有限責任組合だ。同組合への投資に関するサポート業務は日本みらいキャピタル株式会社が提供している。
今後は関係当局における必要な手続きを経て株式取得を完了する予定で、株式譲渡の実行日は2026年10月19日を予定している。
ソニテックは1967年創業で、住宅図面をもとにした積算・見積、調達、受発注、邸別・工程別の配送管理を一貫して提供する企業だ。東北から九州まで営業所と配送センターを展開し、従業員は2026年3月時点で266名となる。代表取締役社長は三宅修氏だ。
買収の背景として挙げられているのが、建築現場の人材不足だ。職人と施工管理人材が足りず、資材の手配・納品・配送管理が現場の負担になっている。そのため、図面を起点とした積算から受発注、在庫・配送管理までを一体化した資材供給の仕組みが求められているという。
ホームセンターが建築副資材の商社を傘下に収める動きは、小売の枠を超えて供給網の上流を取り込む形にあたる。店舗で資材を売る形では、客が必要なものを選んで買いに来ることが前提になる。これに対して、図面から必要な資材を算出して現場に届ける仕組みであれば、調達そのものを引き受けることになる。
カインズはすでにプロ職人向けの会員制卸売店舗「C’z PRO」を手がけており、プロ向けの販路を持っている。今回の買収は、その延長として調達と物流の機能を加える構成と読める。
同社は今後の方針として、ソニテックの調達・積算・受発注・物流の強みを高めるとともに、カインズのデジタル活用のノウハウを生かし、建築プロの施工生産性向上を目指す「独自のサプライチェーン」の構築を掲げている。
積算という工程は、図面から必要な資材の種類と数量を算出する作業にあたる。経験と時間を要する業務で、人材が不足している現場では負担になりやすい。ここを外部に任せられる仕組みがあれば、施工側は現場の作業に専念できる。配送を邸別・工程別に管理する点も、現場に必要な分だけ届ける形につながる。
ホームセンターは一般の来店客とプロの両方を顧客に持つ業態だ。一般向けは店舗での販売が中心になるが、プロ向けは納品と配送の体制が受注の条件に関わってくる。店舗網だけでは対応しきれない部分を、商社の機能で補う組み立てといえる。
カインズは29都道府県に278店舗を展開するホームセンターチェーンで、ECやリフォーム事業も手がける。代表取締役社長CEOは高家正行氏、本社は埼玉県本庄市となる。