株式会社ファミリーマートは、知的障がいのある農場社員向けの認知発達支援プログラム「夢育て1.0」の第2期を2026年10月7日に開始した。期間は約1年間で、受講者は8名となる。対象は千葉県流山市などの農場で働く社員だ。

同社は2026年9月に創立45周年を迎えており、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する取り組みの一環として実施している。

プログラムは株式会社夢育てが提供するもので、同社が2025年10月に日本で初めて企業として導入した。認知発達教育の「フォイヤーシュタイン・メソッド」、体の使い方を学ぶ「ブレインジム®」、主体性を育む「夢や希望を語る時間(夢語り)」を組み合わせた内容だ。

第1期は2025年10月に開始し、2026年9月30日に修了式を行った。修了者は10名となる。

第1期の効果は定量と定性の両面で示されている。定量面では、認知アセスメント4種でいずれも向上が見られた。項目は空間把握・視覚的記憶、帰納的・仮説演繹的推論、学習速度とパターン把握、作業の正確性と効率性だ。

研修の効果を4つの観点で測っている点は、取り組みの進め方として押さえておきたい。研修は実施したこと自体で評価されがちだが、事前と事後で測る項目を決めておけば、継続するかどうかの判断材料になる。

定性面では、「収穫」や「袋詰め」など精度が求められる作業を自立して行える社員が複数誕生したとしている。自発的な報告・相談や発言が増え、リーダーシップの芽生えも見られるという。あわせて、近隣農家で作業支援を行う「農福連携」への参加実績が大きく伸びた。

農福連携は、障がいのある人が農業分野で活躍し、自信や生きがいを持って社会参画を実現する取り組みを指す。同社では、障がいのある社員が近隣のプロ農家への支援に入ることを指している。自社の農場の外へ出て作業する機会が増えたことになる。

第2期では、農場スタッフのメンバーを入れ替えて研修を継続する。あわせて、社員4名が講師資格を取得しており、研修を内製化する体制づくりを進める。

外部のプログラムを導入したうえで、1年後に社内で担える体制へ移す進め方は、研修を続ける仕組みとして参考になる。外部に委託し続ける形では費用が継続して発生し、社内に知見も残りにくい。講師資格を社員が取得すれば、対象者を入れ替えながら繰り返し実施できる。

小売や外食の業態では、人材の確保が共通の課題になっている。障がいのある社員の受け入れは、雇用率の達成という側面だけでなく、どの業務を任せられるようにするかという育成の設計が伴う。今回の事例では、精度が求められる作業を自立して行えるようになった点が成果として挙げられており、育成を通じて担える業務の幅を広げた形になる。

同社は、本プログラムが知的障がいのある社員の「わかること」と「できること」の幅を広げると確信しているとしている。

出典:株式会社ファミリーマート プレスリリース