有限会社アウティングプロダクツエルクは、アウトドアショップ「OUTING PRODUCTS ELK(エルク)」(山梨県甲府市徳行)で熊撃退スプレー「熊一目散」の対面レンタルサービスを開始した。専用ホルスターが付く。

料金(税込)は2泊3日が2,000円、3泊4日が2,500円で、以降は1日延長ごとに500円が加算される。これに加えて保証金として現金13,000円を預け、未使用で返却すれば全額返金される。貸出と返却はいずれも店頭での対面受付で、事前予約が推奨されており、電話またはInstagramのDMで受け付ける。

このサービスで押さえておきたいのが、商材の性質とレンタルという形の対応関係だ。

同社は、熊スプレーがアウトドアで必須になりつつある一方で、一般の人には3つのハードルがあると説明している。価格が1本約14,000円前後と高額であること、機内持ち込みができず遠方への遠征時には機内預け入れもできないこと、使用期限後に中身を出し切って捨てる作業が危険で困難であることだ。

この3点はいずれも、商品を買った後に生じる負担にあたる。

価格を比べると、購入が約14,000円、レンタルが2泊3日2,000円のため、7回借りると購入と同額になる計算だ。年に1回か2回の山行であれば、レンタルの方が支出は少なく済む。登山の頻度が高い人であれば購入が有利になる水準だが、その境目が7回という形で示される。

保証金の金額設定も、この商材の性質と対応している。保証金は13,000円で、未使用での返却が条件だ。使用した場合はこの金額が充当されることになるため、レンタル料2,000円と合わせて15,000円となり、購入価格の約14,000円を1,000円上回る。

熊スプレーは、使わずに持ち歩く装備にあたる。使う場面が来ないことが望ましい商品であるため、未使用での返却を前提にした料金が成立する。使った場合に購入と同等以上の負担が生じる形は、商品を実際に消費した分の扱いになる。

使用期限の管理も、貸す側と買う側で負担の置き方が変わる部分だ。個人が所有する場合、期限が来るまで保管し、期限後は廃棄の作業が必要になる。店が貸し出す形であれば、期限内に複数の利用者に回すことができる。1本の商品に対する利用の回数が増え、廃棄の作業も店側に集約される。

中身を出し切って捨てる作業が危険という点は、一般の購入者にとっては経験のない作業にあたる。1本を使い切らずに期限を迎える商品の場合、処分の方法が分からないまま保管が続くことにもなる。

輸送の制限についても、レンタルの形と関わってくる。機内持ち込みと機内預け入れができないため、遠方から登山に来る人は現地で調達することになる。甲府市は南アルプスへの入口にあたる位置で、店頭での対面受付という形は、現地で借りて現地で返す流れに対応する。

貸出と返却をいずれも対面とする点も、この商材では条件になる。スプレーは輸送に制限がかかる品目のため、郵送での受け渡しが難しい。来店が前提となる形は、店舗に客が2回訪れる構成にもなる。

定休日への対応も示されている。同店の定休日(火曜、第1・第3水曜)と返却日が重なる場合、追加料金なしで翌営業日の返却扱いになる。

返却の日が定休日に当たる場合、客の側では日程を調整するか追加の料金を払うかという判断が生じる。翌営業日まで延ばす扱いにすれば、その判断が不要になる。延長料金が1日500円であるため、免除される金額は500円から1,000円の範囲だ。

料金の構造を1日あたりで見ると、2泊3日は3日間で2,000円のため約667円、3泊4日は4日間で2,500円のため625円になる。延長は1日500円だ。借りる期間が長くなるほど1日あたりの金額は下がる形で、貸出と返却の手続きにかかる手間が日数で割られる構成と読める。

同社は、2泊3日2,000円という価格であれば、ほかの装備や山小屋での食事に予算を回せるとしている。

同社は1993年12月の設立で、代表は柳澤隆広氏だ。営業時間は11時から20時まで、定休日は火曜と第1・第3水曜となる。

出典:有限会社アウティングプロダクツエルク プレスリリース