株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、広島県のご当地メニューや地元食材を活かした計9品を発売する「ええじゃろ!広島フェア」を、広島県のセブン‐イレブン店舗で2026年10月20日から11月2日までの14日間開催している。

このフェアで押さえておきたいのが、商品の販売エリアと販促の対象がずれている点だ。

9品の販売エリアはいずれも広島県、島根県、鳥取県、山口県の4県となる。一方でフェアの開催は広島県の店舗で、アプリのクーポンキャンペーンも広島県内の店舗が対象で、広島県に住む人に限られる。

コンビニの商品は、製造の拠点と配送のエリアによって展開の範囲が決まる。1つの県だけを対象に商品を作る形では、製造の数量が限られ、配送の経路も効率が落ちる。中国地方の4県を単位にすれば、同じ商品を一定の規模で回せる形だ。

一方で、ご当地メニューとしての訴求は県ごとに意味が変わる。広島お好み焼きやもみじ饅頭は広島の商材であり、周辺の県では地元の味という位置づけにはならない。

商品の展開を4県とし、フェアとしての打ち出しを広島県に絞る構成は、この条件に対応する形になる。製造と配送は広い単位で行い、販促は商材と地域が一致する範囲に置く形だ。

クーポンの設計も見ておきたい。セブン‐イレブンアプリを提示して「お店で揚げた もみじ饅頭」を買うたびに同商品の30円引きクーポン、「ブリトー」を買うたびにブリトーの50円引きクーポンが配信される。クーポンは購入から24時間以内に届く。

値引きの率を見ると、もみじ饅頭は193円に対して30円引きで約15.5%、ブリトーは350円に対して50円引きで約14.3%になる。いずれも15%前後の水準に揃えられている形だ。値引きはセブン‐イレブン標準価格(税抜)からとなる。

「買うたびに」という条件は、次回の購入につながる構成だ。1回の値引きで終わる形ではなく、買った客に次に使えるクーポンが渡る。14日間という期間の中で、繰り返し来店する流れになる。

24時間以内の配信という設定も、使う時期に関わる。購入の直後ではなく時間を置いて届く形であれば、その日のうちに2個買う流れにはならない。日をまたいだ来店を促す構成になる。

商品の構成は3つの方向に分かれている。

1つはご当地メニューの再現だ。「広島お好み焼き 肉玉そば」598円(税込645.84円)は、豚肉、麺、キャベツ、生地を合わせて焼いた商品で、麺の食感をよりしっかり感じられるよう配合を見直し、麺量も増量した。「肉玉のっけそばめし」598円(税込645.84円)は、鉄板で焼き上げたそばめしの上に、キャベツ、玉子、豚肉、天かすを焼いた肉玉シートをのせている。

「お店で揚げた もみじ饅頭」193円(税込208.44円)は店頭で揚げて提供する商品で、フェアの前から販売されている。「山形県産つや姫おむすび 広島名物 国産牛コウネ」298円(税込321.84円)は、広島で親しまれている牛肉の希少部位「コウネ」(前バラ肉)の焼肉を使う。

お好み焼きの麺を増量した点は、地元の評価と関わる部分だ。広島のお好み焼きは麺を含む形が定番にあたる。その地域で売る商品では、麺の量と食感が判断の基準に入ることになる。既存の商品の配合を見直す形は、地元の基準に合わせる構成と読める。

2つ目は地元食材の使用だ。「生パスタ 濃厚クリームとチーズソース」598円(税込645.84円)は旬の広島県産ほうれん草を使い、「6品目のこまツナサラダ 広島県産小松菜使用」258円(税込278.64円)は広島県産の小松菜を使う。「まぜまぜスイーツ 瀬戸内レモンヨーグルト わらびもち入り」398円(税込429.84円)と「瀬戸内レモンクリームのパン」168円(税込181.44円)は瀬戸内レモンを使用している。

クリームパスタやサラダは、ご当地メニューではない一般的な商品にあたる。そこに地元の野菜を使う形であれば、商品の形式は変えずに産地の要素が入る構成になる。

3つ目は地元の人材との協業だ。「ブリトー ジェノベーゼ」350円(税込378円)は、広島県呉市のピザ専門店「ピッツェリア ナリポ」の店主の息子で、2025年にイタリア・ナポリで開催された「ナポリピッツァ職人 世界選手権 ジュニア部門」で優勝した成本豊穂さんが監修した。

ピザとブリトーは、生地で具材を包む点が共通する。ピザの職人がブリトーを監修する形は、技術の近さに対応している。地元の店の人材を起用する構成は、商品そのものに加えて地域との接点をつくる形になる。

価格の幅を見ると、最も安い瀬戸内レモンクリームのパンが168円、最も高い商品が598円で約3.6倍になる。598円の商品は3品あり、いずれも主食にあたるそばめし、お好み焼き、パスタだ。同じ価格帯に主食の商品を揃える構成になる。

担当者は、地元ならではのなじみ深い味わいや地域の食材の旬のおいしさを身近な店舗で手軽に楽しんでもらいたいという想いから企画したとしている。同社は地域に根ざした取り組みの一環として、各地域の食材を活用した商品開発を進めているとした。

なお、店舗によって価格が異なる場合や、一部取り扱いがない商品がある。税込価格は軽減税率適用の消費税8%で表記されている。

出典:株式会社セブン‐イレブン・ジャパン プレスリリース