SDRS株式会社は、紅茶の提供に特化した次世代型紅茶マシン『Tea-Up(ティーアップ)』の量産を2026年11月下旬から開始する。ホテル、レストラン、カフェなどのHoReCa市場を対象とした設備で、ストレート、アイス、フレーバー、ミルクティーなどをセルフ方式で提供する形になる。

抽出にかかる時間はストレートティーが約45秒、ミルクティーが約60秒だ。同社は手淹れの蒸らしは約3分が理想とされるとしている。独自の抽出システムとして、ジャンピング対応のストレートチャンバー、メニューごとに茶葉の粒度を調整する自動粒度調整機構、高温制御対応の湯タンク、湯量・蒸らし・攪拌・静置の精密制御が組み込まれる。

清掃面では作業時間を約60%削減したとしている。比較の対象は同社の全自動ドリップ式コーヒーマシン「クリスタII」だ。ミルク回路の洗浄はワンタッチで行え、洗浄薬剤はユニットにカセット化して内蔵される。ミルク抽出後には自動で塩素水洗浄が行われ、ミルクノズルには自動移動機構が付く。

メニューは最大64メニューの表示に対応し、96レシピを登録できる。ホット、アイス、ミルクの各メニューに対応する形だ。原料容器は茶葉300g×4個と専用ミルクタンク4Lになる。寸法は本体がW300×D600×H850mm、ミルクユニットがW250×D545×H760mmだ。

この設備で押さえておきたいのが、抽出時間の短縮幅だ。手淹れの蒸らし約3分を180秒とすると、ストレートティーの45秒は4分の1、全体の25%にあたる。ミルクティーの60秒は3分の1で33.3%の計算だ。紅茶は蒸らしの時間が味を決める飲料で、短くすれば抽出が足りず長すぎれば渋みが出る部分がある。コーヒーの抽出が1分前後で済む形に対して、紅茶は時間がかかる飲料という構造だ。注文を受けてから3分待たせる形では、提供のペースが客の回転に影響する部分がある。45秒に詰める形であれば、コーヒーと同じ感覚で提供できる構成になる。

清掃の負担も設備の選定に関わる部分だ。ミルクを扱う機械は洗浄が必須で、ミルクは配管内に残ると衛生上の問題が生じる形になる。閉店後に洗浄の作業が必要になり、この時間が人件費として積み上がる構成だ。同社が清掃作業時間の約60%削減を挙げる形は、元の作業時間の40%に収まる計算になる。洗浄薬剤をカセット化して内蔵する形であれば、薬剤を計量して投入する工程も省ける部分がある。導入の判断では抽出の品質と並んで、日々の洗浄にかかる時間が検討の対象になる構成だ。

メニューの設定数にも運用の余地がある。表示できるのは最大64メニューだが、登録できるレシピは96で1.5倍になる。差の32レシピは登録されているが画面には出ない形だ。季節やシーンに応じて表示するメニューを入れ替える運用が想定される構成で、夏にアイスを前面に出し冬にホットを増やす形であれば、その都度レシピを作り直す工程が省ける部分がある。64という表示数はセルフ方式の機械としては多く、客が選ぶ画面での見せ方が課題になる形もある。

設置面積も店舗の条件と関わる。本体のW300×D600は0.18平方メートル、ミルクユニットのW250×D545は約0.13625平方メートルで、合計すると約0.32平方メートルの計算だ。横に並べた場合の幅は550mmになる。奥行は本体が600mm、ミルクユニットが545mmで55mmの差があり、高さは850mmと760mmで90mmの差がある。カフェのカウンターの奥行であれば収まる寸法で、幅550mmであればレジ横などに置ける構成だ。ミルクユニットが本体と別になる形は、ミルクを使わない運用では本体のみを置く選択も生じる部分がある。

原料の搭載量も提供できる種類と対応する。茶葉は300gの容器が4個で合計1.2kgになる。4個に分かれる形であれば4種類の茶葉を同時に搭載できる構成だ。これに自動粒度調整機構が加わることで、メニューごとに茶葉の挽き具合を変える形になる。同じ茶葉でもストレートとミルクティーでは適した抽出が異なる部分があり、粒度を変える形であれば1種類の茶葉から複数のメニューを作れる構成になる。4種類の茶葉と粒度の調整を組み合わせれば、96レシピという登録数にも対応する形だ。

衛生面の設計も人手を前提にしない構成になっている。ミルク抽出後の塩素水洗浄が自動で行われ、ミルクノズルは自動で移動する形だ。手作業で拭き取る形では作業者による差が生じる部分があり、自動であれば一定の処理が繰り返される構成になる。人手不足の状況では、作業の手順を覚えた従業員がいないと品質が落ちる形が生じるが、機械側で処理する形であればこの差が出にくい部分がある。

背景も示されている。同社は日本紅茶協会を引いて、ホテルやカフェでアフタヌーンティーを楽しむ「ヌン活」の広がりと「第三次紅茶ブーム」の到来に触れている。HoReCa市場では上質なリーフティーの提供が重要になる一方で人手不足が課題で、提供の待ち時間、抽出のばらつき、器具や機械の洗浄負担が障壁になるとしている。

同社の設立は2015年4月で2026年11月時点で11年7か月になる。本社は東京都墨田区錦糸、代表取締役社長は森益哉氏、資本金は1億円だ。画像はイメージで、実際の商品とはデザインや仕様が一部異なる場合があるとされている。

出典:SDRS株式会社 プレスリリース