公益財団法人佐賀県産業振興機構は、同機構内の「さが県産品流通デザイン公社」が運営する県産品セレクトショップ「SAGA MADO」の特設エリアで「鹿島フェア」を開催している。会期は2026年10月23日から11月3日までの12日間、時間は10時から20時までだ。会場は佐賀市駅前中央のコムボックス佐賀駅前1階にある。
佐賀県鹿島市の16事業者による80点以上の商品を展示・販売する。昔ながらの菓子やスイーツ、有明海の恵みを生かした商品、伝統工芸品などが並ぶ。
このフェアで押さえておきたいのが、県産品の売場で1つの市に絞った企画を組む構成だ。
県産品のセレクトショップは、通常その県全体の商品を扱う。産地や品目が広がる分、品揃えの幅は出るが、1つの地域の商品はその中の一部になる。客の側から見れば、どこで作られたものかという情報は商品ごとに確認することになる。
市の単位で絞れば、並ぶ商品の背景が共通する。16事業者で80点以上という構成であれば、1事業者あたり約5点となる。同じ地域の作り手が複数並ぶ形で、その土地で何が作られているかが一度に見える。
商品の構成も幅がある。価格(税込)は、赤門堂の「赤門さぶれ」が160円、井手商店の「生姜せんべい」が432円、田雑商店の「菊芋酒粕漬」が687円、新油屋の「稲荷ようかん」が350円、かしま自然農園の「そば粉のしっとり焼どうなつ」が324円、川田食品の「丸干しむつごろう」(2匹)が648円、ピュイ・ダムールの「佐賀ブッセ」(5個入)が750円、海苔ラボ松栄丸の「佐賀有明海苔ソープ」が880円、夢木香の「八角形の鍋敷き」が1,720円となる。
最も安い赤門さぶれの160円と、最も高い八角形の鍋敷きの1,720円では約10.8倍の差がある。菓子の単品から工芸品までが同じ売場に並ぶ形だ。
品目の性質も分かれている。菓子が中心だが、漬物や干物のような食品、石鹸のような日用品、鍋敷きのような工芸品も含まれる。食べるものと使うものが混在する構成になる。
商品ごとの特徴も示されている。赤門さぶれは佐賀県産米粉を使ったグルテンフリーのサブレで、「S-1アワード2026」に上位入賞したとされる。稲荷ようかんは糸で切って食べる糸切り羊羹で、無添加・無着色だ。佐賀ブッセはいちごとデコポンの自家製ジャムをはさんでいる。佐賀有明海苔ソープは有明海産の海苔を配合した15gの石鹸で、香りは3種類ある。八角形の鍋敷きは佐賀県産杉を使い、エゴマ油で仕上げている。
丸干しむつごろうは2匹で648円のため、1匹あたり324円になる。ムツゴロウは有明海の魚で、他の地域では扱いが少ない品目にあたる。
地域を絞った企画では、こうした品目も並べやすくなる。県全体の品揃えの中では、知られていない商品は選ばれにくい。同じ市の商品としてまとめて置けば、その土地の特産という文脈で見られる形だ。
実演会も組み込まれている。10月24日の11時と14時の2回、「面浮立」で使われる鬼面「浮立面」の粗彫りを中原恵峰工房が実演する。ノミと木槌を使う作業で、クスノキの香りが店内に広がるとしている。
工芸品は、完成した状態を見ても作り方が分からない商品にあたる。手で彫ったものと機械で作ったものを、見た目で判別するのは難しい。価格の根拠を伝えるには、工程を示す形が効く。
実演があれば、客は作業を見る時間を売場で過ごすことになる。買うかどうかを決める前に滞留する形で、商品の説明を受ける機会にもなる。
香りが広がるという要素も、売場の状態に関わる部分だ。クスノキを削る作業であれば木の香りが出る。視覚と音に加えて香りも伴う形になる。
SAGA MADOは佐賀県産品のセレクトショップで、工芸品や加工食品などを展示・販売している。さが県産品流通デザイン公社は2017年4月の設立で、県産品の販売促進や販路拡大、海外市場開拓を支援する。支援の対象は県内に所在する生産者・製造者・販売者だ。