英国の小売大手マークス・アンド・スペンサー(M&S)の食品部門「M&Sフード」は、世界最大の余剰食品アプリ「Too Good To Go」との提携を開始した。9月14日から、英国とアイルランドの354店舗で、店内ベーカリーの余剰品を詰めた「サプライズバッグ」をアプリ経由で販売する。ベーカリーの余剰品をこのアプリで提供するのは初めてで、一部店舗での試験導入を経た全国展開となる。
サプライズバッグには、店内で焼いたパン、クッキー、ペイストリーなどのベーカリー商品が3〜4点入り、小売価格で合計10.20ポンド以上の内容が3.80ポンドで手に入る。顧客はアプリで予約・支払いを済ませ、月曜から土曜の閉店1時間前に店舗で受け取る。数量には限りがあり、店ごとの提供状況や中身は、その日の余剰量によって変わる。特定の商品が入る保証はない。
今回の提携は、同社のサステナビリティ計画「プランA」の一環で、2030年までに食品ロスを半減する目標を掲げている。M&Sは先週、フードシェアリング団体ネイバーリーとの提携を通じて、店舗から出た5万7,000トン超の余剰食品を慈善団体に再分配し、1億3,000万食超を寄付したと発表したばかりだ。店内でも、余ったパンを冷凍ガーリックブレッドに作り替える、熟しすぎたバナナを袋詰めにして値下げ販売する、閉店前に売れ残りを値引きするといった取り組みを続けている。埋め立てに回る食品はなく、消費期限を過ぎて食べられなくなったものは、嫌気性消化によって再生可能エネルギーに変えている。今週は、家庭での食品ロス削減を支援する専用ウェブページも新設した。
食品ロスは世界的にも英国でも大きな課題だ。WWFによると、世界で生産される食品の約40%、年間最大25億トンが廃棄されている。英国では年間約1,070万トンが廃棄され、うち640万トンが家庭由来と推計される(WRAP、2026年)。
M&Sフードのサステナビリティ責任者、ルシンダ・ラングトン氏は、「Too Good To Goは、食品ロス削減への取り組みを実践的な行動に変える好例だ。余剰ベーカリー商品のサプライズバッグによって、より多くの食品が食べられるようにできる。試験導入した店舗からの反響は素晴らしく、2030年までに食品ロスを半減する目標に向けた前向きな一歩となる」とコメントしている。Too Good To Go UK&アイルランドのマネージングディレクター、チェルシー・カー氏は、「M&Sと提携し、余剰食品を英国とアイルランドのさらに多くの顧客に届けられることを嬉しく思う。食品ロスは大きな課題だが、こうした提携は、企業と消費者が一緒に行動することがいかに簡単かを示している。M&Sは英国で愛されるブランドであり、食品ロスを防ぐことを、より多くの人の日常の身近なものにしたい」と述べている。
Too Good To Goは2016年に始まり、20カ国で登録ユーザー1億2,000万人、稼働中のパートナー20万社を抱える。これまでに6億食超を廃棄から救い、CO2換算で160万トン相当の排出を回避したという。
Sources: