オーダースーツ専門店のダンカン(DANKAN)を運営する尾上繊維株式会社は、AIによる試着シミュレーション「Dankan Suit Try-On(ダンカン スーツ トライオン)」を、全国37店舗の店頭に導入した。店頭で撮影した客の全身写真と気になる生地の写真をもとに、AIが着用イメージを約15秒で生成するサービスで、オーダースーツならではの「生地を見ただけでは、スーツになったときの雰囲気や、自分に合わせた着こなしの雰囲気が想像できない」という不安に、生地を選びながらその場で応える。

操作は平均勤続7.2年のフィッターが行い、事前の準備や予約は不要。ダンカンはこのAIを、接客の代わりではなく、客とフィッターの会話を増やす道具として位置づけている。生成画像はAIによる参考イメージのため、実際の生地の色味・質感とは異なる場合があり、生地は店頭で実物を確認できる。

オーダースーツは、店頭で生地を選び、採寸して一着ずつ仕立てるという性質上、完成品を試着してから購入することができない。そのため店頭では、「生地を見ただけでは、スーツになったときの雰囲気がイメージできない」「自分に合わせた着こなしの雰囲気が分からない」という声を多くの客から受けてきたという。初めてオーダーする人はもちろん、お仕立てに慣れたリピーター客でも、いつもと違う雰囲気の生地に挑戦するときには「本当に似合うだろうか」という不安がつきものだといい、その不安を少しでも解消しようと、AIによる試着シミュレーションを店頭に導入した。

利用の流れは3ステップ。まずスタッフが客の全身写真を1枚撮影し、気になる生地を選んでもらったうえで、AIが着用イメージを生成する(目安約15秒)。撮影の際にスーツを着用している必要はなく、Tシャツなどの普段着のまま撮影しても、AIがスーツを着用した姿を生成する。ジャケットはシングル・ダブルから選べるほか、ベストを合わせたスリーピーススタイルの生成にも対応。ボタン数(1〜3つ)、着丈、ラペルの形(ノッチ・ピーク・ショールカラー)と幅、ベント、ポケットの形といった細部も指定でき、細身・ゆったりめなど画像上のシルエットも調整できる。なお、これは画像上の見え方の調整であり、実際のサイズやフィット感はこれまでどおり店頭での採寸をもとにフィッターが仕立てに反映する。シャツの色やネクタイの柄も選択でき、コーディネートの相性をその場で確認できるほか、2つの生地でそれぞれ着用イメージを生成し、見比べることも可能だという。

総務省の「令和8年版情報通信白書」(2026年7月)によると、日本で生成AIを利用した経験のある個人は58.8%と、前年の26.7%から大きく伸びた一方、年代差は大きく、40代で49.0%、50代で44.2%、60代では33.5%にとどまるという。Dankan Suit Try-Onは客自身がアプリを操作する仕組みではなく、店頭でフィッターが撮影から生成までを行うため、スマートフォンの操作が苦手な人も、AIに触れたことがない人も、いつもの生地選びの延長で着用イメージを確認できるとしている。

ダンカンは1978年に福岡・博多で創業したオーダースーツ専門店。長崎県平戸市にある自社縫製工場「アリエス株式会社」での一貫縫製と、イタリア・英国の生地メーカーからの現地直接買い付けにより、世界の名門生地を中間マージンなしで提供する。価格帯は18,700円〜121,000円(税込)のスリーライン構成で、就活生から経営層まで幅広い客層に対応しているという。

サービス名称:Dankan Suit Try-On(ダンカン スーツ トライオン)
対象店舗:全国37店舗(提供中)
利用方法:予約不要。店頭でスタッフが操作し、生成の目安は約15秒