株式会社アイシンは、神奈川県横浜市の商業施設「トレッサ横浜」で、駐車場管理支援システムの実証実験を開始した。駐車場を出るまでにかかる予測時間の表示と、自分の車を止めたフロアの検索という2つの機能を検証する。実証期間は2026年9月から2027年8月までの1年間となる。

対象はトレッサ横浜の南棟立体駐車場。北棟駐車場と南棟1階駐車場は対象に含まれない。所在地は神奈川県横浜市港北区師岡町700番地で、アイシンが実証責任者を務める。

同社は、大規模商業施設の駐車場では、週末や繁忙期に混雑が発生しやすく、出庫までに時間がかかったり、来館者が駐車位置を見失ったりすることを課題として挙げている。今回の実証では、自動車部品事業で培った車両・位置検知技術を活用し、利用者の利便性と車両認識技術を検証する。

出庫予測時間の表示には、駐車場内に設置したカメラの映像を使用する。映像から車両の滞留状況や走行速度をリアルタイムで算出し、各フロア、各出口から駐車場を出るまでの予測時間を表示する仕組みだ。

来館者は、館内に掲示されたQRコードをスマートフォンで読み取ることで、ウェブサイト上に表示される最新の出庫予測時間を確認できる。フロアや出口ごとの情報を、館内にいる段階で閲覧できるサービスとなっている。

もう一つの機能は、駐車位置の検索。利用者がスマートフォンからナンバープレートの下4桁を入力すると、自分の車が駐車されているフロアを確認できる。車両が進入した際に取得した画像とナンバー情報を、クラウド上で照合する方式を採用した。

両機能には、アイシンが開発を進める独自の駐車場管理支援システムを使用している。同社によると、車両全体を捉える一般的な検知手法に対し、4つの車輪の位置、車両の向き、ナンバープレートの位置と情報まで検知できる点が特徴となる。

出庫予測については、過去のデータに基づく推定ではなく、その時点の混雑状況を反映する。同社は、こうした情報の表示によって来館者の出庫を支援するとともに、施設管理者が混雑状況の把握や運営改善に活用できるとしている。今回の取り組みは、これらの機能の有効性を確かめる実証実験として実施する。

収集するデータはカメラ映像で、駐車位置の検索と出庫予測時間の表示に利用する。個人情報の取り扱いについては、防犯と技術検証のために映像を最大2年間保存し、トレッサ横浜と共同利用すると説明している。

また、収集したデータは第三者による不正アクセスから保護し、定めた目的以外には使用しないとしている。実証実験の実施期間は1年間だが、映像の保存期間は最大2年間と、それぞれ異なる期間を設定している。