株式会社ファミリーマートは、アルバイト応募数が前年比約120%(2025年9月比)となったと2026年10月13日に発表した。店舗でのアルバイト採用支援を大幅に強化した結果としている。

同社は2026年9月に創立45周年を迎え、「いちばんチャレンジ」をスローガンに掲げている。「いちばん働きたいコンビニ」の実現を目指し、多様なワークスタイルを尊重する採用支援活動「ファミマjo!n」を推進してきた。

この発表で押さえておきたいのが、実施した施策の幅だ。5つが挙げられており、それぞれ性質が異なる。

1つ目が「ファミフェス2026」で、2026年8月26日に両国国技館で開催した。音楽、映像、ファッションを融合したエンターテインメントショーとして、新しい働き方を表現したとしている。

2つ目がユニフォームの刷新だ。10年ぶりの変更で、ブルゾン型からより動きやすいTシャツ型にした。3つ目が身だしなみ基準「ファミマコーデ」で、清潔感や接客マナーを土台にしながら、髪色や服装の選択肢を広げた。

この2つは、働く現場の条件を直接変える施策にあたる。ユニフォームの着心地や動きやすさは、勤務中の体感に毎回関わってくる。ブルゾン型からTシャツ型への変更は、品出しやレジ、清掃といった動作の多い業務での負担に影響する。

身だしなみ基準の緩和も、応募の段階に効く部分だ。髪色や服装の規則は、求人を見た段階で応募するかどうかの判断に関わる。他の業種で働いている人や、学校や別の仕事と掛け持ちする人にとって、現在の髪色を変えなければならないかどうかは具体的な条件になる。接客の基準を保ちながら選択肢を広げる形は、応募できる層を広げる組み立てだ。

4つ目が「ファミマではたらく?ウェルカムポイントキャンペーン」で、求人サイト「ファミJOB」経由の応募者を対象に、応募後と面接後の2段階でファミペイギフトコードを進呈する。

2段階に分ける設計は、応募から面接までの歩留まりに関わってくる。求人に応募しても面接に来ないという状況は、採用の工程で生じやすい部分だ。応募の時点で1回、面接の後にもう1回という形にすれば、面接まで進む動機が別に用意される。自社の電子マネーのギフトコードを使う点も、支払った分が自社店舗での利用に戻る余地を残している。

5つ目が大型テレビCMで、2026年9月25日から放映を開始した。モノクロの世界観で、レジ打ちや陳列などの日常業務を表現している。

商品ではなく働く姿を描くCMという構成は、求人の告知を目的とした打ち出しにあたる。コンビニのCMは新商品を伝えるものが多いが、業務そのものを映す形は、どんな仕事なのかを見せる内容になる。

なお、CMの放映開始は9月25日で、応募数の比較対象となる月の終盤にあたる。120%という数字に反映されている期間は、放映開始から数日に限られる計算になる。

施策の構成を見ると、イベントやCMのような認知を広げる取り組みと、ユニフォームや身だしなみ基準のような現場の条件を変える取り組みが並んでいる。前者は規模に応じた費用がかかるが、後者は規則と装備の見直しにあたる。応募者数という結果に対して、どの施策がどこまで寄与したかの内訳は示されていない。

同社は「あなたと、コンビに、ファミリーマート」を掲げ、地域に寄り添い、「便利の先にある」なくてはならない場所を目指すとしている。

「いちばんチャレンジ」は、「おいしい」「ちょっとおトク」「わくわく楽しい」「ステキが見つかる」「革新的・最先端」「環境にやさしい」「働きたい」「地域に愛される」の8分野に基づく取り組みだ。今回の発表は、このうち「働きたい」に関わる内容にあたる。

出典:株式会社ファミリーマート プレスリリース