株式会社トモズは、同社の管理栄養士によるフレイル予防のたんぱく質栄養講座を2026年9月29日に横浜市下倉田地域ケアプラザ(横浜市戸塚区下倉田)で実施した。対象は下倉田地域の住民で、予約制で行った。
内容はフレイルの説明と、たんぱく質摂取のコツの紹介だ。あわせて、プロテインやゼリーなど、たんぱく質を手軽に摂れる商品の試食・試飲も提供した。
同社はフレイルを「加齢に伴い心身の活力が低下し健康な状態と要介護状態の間にある虚弱な状態」と説明している。地域ケアプラザの職員と連携し、フレイル予防の啓発活動の一環として実施したとしている。
この取り組みで押さえておきたいのが、専門職を店外に出す構成だ。
同社は首都圏中心に展開する調剤併設のドラッグストアで、店舗には管理栄養士が在籍している。店内であれば、来店した客からの栄養相談に対応する形になる。一方、店外の施設で講座を開けば、普段その店を使っていない層にも接点を持てる。
店舗で待つ形と、出向く形では届く範囲が変わってくる。栄養の相談は、客の側から持ち込まれなければ始まらない。相談したいと思っている人は来るが、必要性に気づいていない人は来ない。講座という形で先に情報を出せば、自分に関わる話だと気づく機会になる。
会場に公共施設を使う点も、役割の分担として読める。地域ケアプラザは地域の住民が利用する施設にあたり、高齢者が集まる場でもある。会場と告知を施設側が担い、企業が内容を提供する構成であれば、集客のために自社で動く必要がない。
予約制で実施している点も、運営の面では意味を持つ。参加人数が事前に分かれば、試食・試飲の商品の数量も決められる。会場の広さに応じた受け入れ人数も調整できる形だ。
試食・試飲を含めている構成は、扱う商材の性質と関わってくる。プロテインやゼリーは、たんぱく質を補う商品として売場に並んでいる。一方、高齢者にとっては馴染みの薄い商材でもある。味や飲みやすさが分からなければ、棚で見ても手に取る理由が生まれにくい。
試す機会があれば、この部分が解消される。話を聞いて必要性が分かり、その場で味を確かめられれば、売場で買う段階に進める。講座の内容と商品の試食を同じ場で行う構成は、知識と商品を結びつける形になる。
フレイル予防という題材も、ドラッグストアが扱う領域と重なる部分が大きい。たんぱく質を補う商品、栄養補助食品、サプリメントはいずれも売場にある商材だ。一方で、どの商品がどの目的に合うかは、商品を見るだけでは分かりにくい。専門職が説明する場があれば、その判断を支える形になる。
調剤を併設する店舗であれば、薬剤師と管理栄養士がいる構成になる。薬と栄養の両方について相談できる場所として位置づければ、商品を売る以外の役割も持てる。
高齢化が進む地域では、フレイル予防は行政の関心事にもなる。要介護の状態に至る前に手を打つ取り組みは、介護予防の文脈に入る。地域ケアプラザの職員と連携する形も、この文脈と重なる部分だ。
トモズの本社は東京都文京区にある。