株式会社ベイシアは、季節限定の「栗のモンブランクレープ」を2026年10月21日から約2か月間販売する。価格は646円で、なくなり次第終了となる。販売は15都県のクレープ取り扱い店舗だ。

この商品で押さえておきたいのが、客の声を集めて商品化する過程の設計だ。

同社は「こんなクレープ食べたい!2026 Autumn&Winter」という企画で、「秋冬に食べたいクレープ」をテーマにアイデアを募集した。178件の応募から5候補を選び、投票を実施した。投票総数は2,227票で、「モンブラン風クレープ」が661票を集めて最多得票となり、商品化が決まった。

この過程は2段階に分かれている。178件から5候補を選ぶ段階と、5候補から投票で決める段階だ。

178件すべてを投票にかける形も考えられる。この場合、客は自由に選べるが、票は分散することになる。1件あたりの平均は12票程度になり、上位との差も小さくなる。企画として「選ばれた」という結果を示しにくい形だ。

実現可能性の問題もある。応募されたアイデアには、製造の工程や原価の面で成立しないものが含まれる可能性がある。投票で選ばれた後に作れないという事態は避けることになる。

5候補に絞れば、この条件が揃う。選択肢が5つであれば票が集まり、いずれも実現できる前提で投票にかけられる形だ。

得票の内訳を見ると、661票は2,227票の29.7%にあたる。5候補が均等に分かれれば20%になるため、それを9.7ポイント上回る水準だ。残る4候補の合計は1,566票で、1候補あたり平均391.5票になる。最多得票はこの平均の約1.7倍だ。

3割という水準は、圧倒的な差ではない。残る7割は他の候補に投じられている形で、投票した客の多くは別のものを選んだことになる。

一方で、5つの中で最も票を集めた商品であれば、一定の需要が確認できる形だ。投票の時点で関心を示した客が存在するため、発売後の動きも読みやすくなる。

投票コメントでは、モンブランとクレープの組み合わせや、栗の風味を手軽に楽しめる点が支持されたとされている。

商品の設計も見ておきたい。特徴として3点が挙げられている。ヨーロッパ産の栗を使ったマロンペーストが生地の中まで入っており、最後まで栗の風味を楽しめること、栗を1個丸ごと使用していること、ローストシュガーの香ばしさとマロンペーストに合うホイップが組み合わさっていることだ。

マロンペーストを生地の中まで入れる形は、クレープという形式の性質に対応している。

クレープは生地で包む構成のため、中身は内側に集まる。食べ進めると具材がある部分と生地だけの部分が分かれることになる。最後の数口が生地だけになれば、味の印象も変わる。

生地自体にペーストが入っていれば、具材が尽きた後も風味が残る形だ。包む構成の商品で、中身と外側の両方に同じ素材を使う設計になる。

販売する店舗にも条件がある。クレープを扱う店舗のみでの販売で、15都県に分布する。

クレープは店内で焼いて作る商材にあたる。生地を焼く設備と、作る人員が必要になる。棚に並べる商品とは異なり、設備のある店舗に限られる形だ。

スーパーの店内でクレープを売る形は、惣菜やベーカリーと同じく店内調理の区画になる。焼きたての状態で売れる一方、作る時間と人手がかかる。設備を持つ店舗の数が、展開の範囲を決める構成だ。

店舗の分布を見ると、群馬県、埼玉県、千葉県に多く、福島県から滋賀県までの範囲に広がる。本拠地の群馬県を中心に、関東から東海・近畿の一部に及ぶ形だ。

価格の646円は、クレープとしては高い水準に入る。栗を1個丸ごと使う仕様と、ヨーロッパ産の栗のマロンペーストという原料が価格に反映される形になる。

季節限定で約2か月という期間も、商材と対応している。栗を使う商品であれば秋から冬にかけての時期に合う。期間を限る形であれば、その時期にしか買えない商品という位置づけになる。

同社は「より良いものをより安く」を企業理念に掲げ、「日本一”ありがとう”と言われるスーパー」を目指すとしている。設立は1996年11月で、本社は群馬県前橋市だ。

出典:株式会社ベイシア プレスリリース