株式会社アオキスーパーは、日本女子大学と株式会社ミライデザインGXと連携し、食品ロス削減と地域貢献の取り組み「ハピタべ」の効果測定・検証を開始した。同社がハピタベシールを貼った商品の購買データなどを提供し、学生が客へのアンケート調査を行う形で、日本女子大学の小林富雄教授(フードシステム論・マーケティング論)が調査結果をもとに効果を検証する。実施の経緯は、2026年9月4日に大学の教授と学生が店舗を訪問して意見交換を行い、10月5日と9日に4店舗で客向けアンケートを実施した形だ。訪問から1回目のアンケートまでは31日、アンケート2回の間隔は4日になる。
この取り組みで押さえておきたいのが、「ハピタべ」の仕組みだ。消費期限や賞味期限が近い商品にハピタベシールを貼り、客に優先的に購入してもらう「てまえどり」を促す構成になる。売場に並ぶ商品では同じ品目の中で期限が異なる部分がある。棚の手前に期限の近い商品、奥に新しい商品が並ぶ形で、客は新しい商品を選ぶ傾向があり手前の商品が残る構成だ。
残った商品は期限を迎え、値引きか廃棄になる形だ。値引きで売れれば売上になるが利益は下がる構成で、廃棄になれば原価と処分の費用が生じる形になる。「てまえどり」を促す形はこの構造に働きかける構成で、手前の商品が選ばれれば期限までに売れる割合が上がる形だ。一方で客の側には選ぶ理由が必要な部分がある。同じ価格であれば新しい商品を選ぶ形で、期限が近い商品を選ぶ動機が生じにくい構成だ。シールを貼る形はこの動機を作る構成になり、シールを集めることが目的になれば期限の近い商品を探す形も生じる部分がある。
参加のコースも見ておきたい。「ガチャコース」は専用台紙にシールを10枚貼ると台紙1枚につき1回ガチャを回せ、お菓子等が必ず当たる形だ。「寄付コース」はシール1枚につき1円を「愛知県子どもが輝く未来基金」へ寄付する構成になる。10枚のシールで比べるとガチャコースは1回のガチャ、寄付コースは10円の寄付になる形で、同じ枚数で自分が受け取るか他者に渡すかを選ぶ構成だ。
2つの動機を用意する形は、客の性質と関わる部分がある。見返りがある方が動く客と社会的な意義で動く客では、反応する内容が異なる形だ。ガチャで「必ず当たる」という条件も仕組みと関わる。抽選で外れる形であれば集めた客が報われない場合が生じる構成だが、必ず当たる形であれば10枚を集めた分の結果が確実になる。一方で寄付コースは1枚から成立する形で、10枚を集める必要がなく1枚でも寄付になる構成だ。台紙を貯める手間を避けたい客にも対応する形になる。
効果測定の構成も見ておきたい。小売が単独で効果を測る形では比較の基準を作る部分が難しい。シールを貼った商品が売れたとして、シールがなくても売れたかどうかは分からない形だ。購買データを提供し客へのアンケートを組み合わせる形では2つの情報が揃う構成になり、何が売れたかというデータと客がなぜ選んだかという回答だ。
大学が検証する形は第三者の立場が入る構成になる。取り組みを行う側が自ら効果を示す形であれば評価の基準に疑問が残る部分があるが、外部の研究者が分析する形であれば手法と結果が示される構成だ。フードシステム論を専門とする教授が関わる形も分析の視点と対応し、食品の生産から消費までの流れを扱う分野で売場での行動もその一部になる構成になる。
参加の規模も示されている。ミライデザインGXによると、現在は全国13府県12社、約100店舗のスーパーが参加しているとされる。1社あたりでは約8.3店舗、1府県あたりでは約7.7店舗の計算だ。12社で13府県という構成では1社あたり約1.08府県になり、ほぼ1社が1府県で展開する形と読める。
複数の企業が同じ仕組みを使う形は、客の側から見ると認知が広がる構成になる。別の店舗でも同じシールの仕組みがあれば、使い方を知っている客が増える形だ。一方でシールの集計や台紙の管理は店舗ごとに生じる部分があり、約100店舗という規模であれば運用の方法も共有される構成と読める。
日本女子大学は東京都文京区にあり、2027年4月より家政経済学科を前身として経済学部を開設する予定とされている。アオキスーパーの本社は愛知県名古屋市中村区、代表者は青木俊道氏、設立は1974年6月で2026年で52年、資本金は5,000万円だ。今後は検証結果をもとにハピタベの可能性を探り、取り組みの改善につなげる方針としている。