株式会社大丸松坂屋百貨店は、大丸福岡天神店で2026クリスマスツリー「Sprout ~芽吹きここから始まる~」を設置する。期間は2026年11月7日から12月25日までの49日間で、場所は同店のエルガーラ・パサージュ広場になる。
点灯時間は午前10時から午後11時までの13時間だ。ただし初日の11月7日は午後6時30分からの点灯、最終日の12月25日は午後9時の消灯になる。ツリーの横には、九州・沖縄の「自然共生サイト」認定事業者を紹介するパネルが設置される。
ツリーは福岡女子大学、阿蘇、九州探検隊の共創で制作された。素材は阿蘇の草原で育まれた「茅」が中心だ。オーナメントは2種類で、阿蘇の草原に咲く「ヒゴタイ」をイメージした深い瑠璃色のものと、阿蘇の草原で育った羊の羊毛を使ったものになる。いずれも学生や子どもたちが一つひとつ手作りしたものだ。
この企画で押さえておきたいのが、点灯時間の長さだ。午前10時から午後11時までの13時間は、百貨店の一般的な営業時間を超える長さにあたる。閉店後も点灯が続く構成で、店舗が閉まった後に通行する人の目にも入る。設置場所がエルガーラ・パサージュ広場という通路に面した空間であれば、買い物を目的としない通行人も対象に入る。天神は商業施設が集まる区域で、夜間の人の流れがある立地だ。
総点灯時間を計算すると規模が見える。通常日は11月8日から12月24日までの47日間で、13時間ずつ点灯すれば611時間になる。初日は午後6時30分から午後11時までの4時間30分、最終日は午前10時から午後9時までの11時間だ。合計で626時間30分になる計算で、49日間の平均は約12.8時間にあたる。初日と最終日に例外を設ける形は、点灯式の進行とクリスマス当日の区切りに対応している。
期間の内訳も見ておきたい。11月が7日から30日までの24日間、12月が1日から25日までの25日間で、ほぼ半々の構成だ。クリスマス商戦の立ち上がりを11月上旬に置き、12月25日の午後9時で終える形になる。クリスマス当日に午後11時まで点灯せず午後9時で消灯する形は、翌日からの撤去作業と関わる部分がある。26日以降はクリスマスの装飾が年末の売場に合わなくなる商材で、当日の夜に区切りをつける構成だ。
素材の選び方も特徴になる。茅は阿蘇の草原を維持する過程で刈り取られる植物にあたり、草原の保全と結びつく素材だ。協力団体には30年以上にわたって阿蘇の草原保全に取り組む公益財団法人阿蘇グリーンストックが入っている。オーナメントの一部には、NPO法人唐津ファームアンドフードがプラスチックごみをアップサイクルした素材も使われる。ヒゴタイは阿蘇の草原に生育する植物で、その色をオーナメントに移す形で、素材と意匠の両方が産地と対応する構成になる。
ツリー横のパネルも企画の一部だ。「自然共生サイト」は環境省が、日々の暮らしや事業活動が生物多様性を守る取り組みにつながっている区域を認定する制度にあたる。九州・沖縄の認定事業者を紹介する形で、ツリーを見に来た人が制度と事業者を知る構成になる。同店が関わる例として、熊本県山鹿市の和栗生産者グループとの「やまが和栗ブランド化プロジェクト」が挙げられ、令和7年3月に認定を受けている。
九州探検隊の成り立ちも示されている。2018年6月に株式会社博多大丸の創業65周年を機に発足した九州応援プロジェクトで、2026年11月時点で8年5か月になる。創業65周年が2018年であれば創業は1953年にあたる計算で、2026年では73年になる。周年を機に立ち上げたプロジェクトが8年続いている形で、単発の記念企画ではなく継続する取り組みとして運営されている。
点灯式の組み方も見ておきたい。11月7日の午後4時から始まり、ツリーの点灯は午後6時30分になる。開始から点灯までは2時間30分で、この間に福岡女子大学国際文理学部環境科学科の学生によるステージ発表、「自然共生サイト」認定事業者によるトークセッション、ゴスペル合唱団などの音楽、スペシャルダンスパフォーマンスが行われる。MCは中島浩二氏だ。日没後に点灯の瞬間を迎える構成で、明るい時間に内容を伝え、暗くなってから灯りを入れる順序になる。
百貨店が環境の取り組みを売場の前に置く形は、客層との関わりがある。ツリーは撮影の対象になりやすい装飾で、素材の背景や認定事業者のパネルが併設されていれば、撮影のために立ち止まった人がその情報にも触れる構成だ。学生や子どもが制作に加わる形は、制作者とその家族が来場する動機にもなる。
同店の所在地は福岡市中央区天神だ。大丸松坂屋百貨店の設立は2010年3月で2026年で16年、本社は東京都江東区木場、代表者は宗森耕二氏になる。