株式会社T2は、つがる弘前農業協同組合(JAつがる弘前)、日本通運株式会社、日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)との4社で、青森県産りんごを自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせて輸送する実証を行う。実証期間は2026年10月13日から15日までで、区間は青森県から大阪府までの約1,200kmだ。

同社は「国内初の自動運転トラックによる青果物輸送」としている。この主張は2026年10月7日時点のT2によるWeb調査に基づくものだ。

輸送は4段階に分かれる。まずJAつがる弘前(弘前市)から東青森駅まで、日本通運の通常トラックで運ぶ。次に東青森駅から隅田川駅(東京都)まで、JR貨物の貨物列車で輸送する。隅田川駅から百済貨物ターミナル駅(大阪府)までがT2のレベル2自動運転トラックの区間で、安全確保が必要な場面ではドライバーが一時的に運転する。最後に百済貨物ターミナル駅から大阪市内の納品先までを日本通運が担当する。

輸送にはJR貨物とT2が共同開発した31フィートの共用コンテナを使う。列車からトラックへ直接載せ替えられる仕様だ。

積み替えの工程をコンテナ単位で済ませられる点が、この組み合わせの要点にあたる。鉄道とトラックを乗り継ぐ輸送では、荷物を積み替える作業が各地点で発生する。コンテナをそのまま移せる形であれば、人手と時間の両方を削れる。

背景として挙げられているのは、トラックドライバーの不足と災害リスクだ。複数の輸送手段を組み合わせる方式が注目されており、今回はそこに自動運転を組み込んだ構成になる。

青森県産りんごを対象に選んだ理由も示されている。国内消費量の半分ほどを占め、長距離輸送が多い品目にあたる。今回の実証では、自動運転トラックを組み込んだ場合の輸送品質、運用の有効性、省力化への効果を検証する。

青果物を対象にしている点は、小売の側から見て押さえておきたい部分だ。青果は鮮度が商品価値に直結するため、輸送にかかる時間と温度の管理が問われる。輸送品質を検証項目に挙げているのは、この性質を踏まえたものと読める。産地から1,200km離れた売場に、どの状態で届くかが実務上の判断材料になる。

現段階はレベル2の自動運転で、ドライバーが車内にいる前提だ。T2は複数回の実証を重ね、レベル4の自動運転を見据えた定期的な輸送サービスへの移行を検討する。2027年度以降のレベル4による幹線輸送の開始を目指している。なお同社は2025年にも、この方式での輸送を開始している。

産地から売場までの輸送をどう組み立てるかは、小売の調達に直接関わる部分だ。ドライバーの確保が難しくなるなかで、長距離の幹線を鉄道と自動運転で分担する形が商用化されれば、仕入れの条件にも影響する。実証の段階ではあるが、定期輸送の検討まで示されている点は見ておきたい。

出典:株式会社T2 プレスリリース