ガリレイホールディングス株式会社は、フクシマガリレイ株式会社の小売店舗向け環境改善ユニット「Drynal(ドライナル)」が2026年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。主催は公益財団法人日本デザイン振興会だ。

Drynalは、ショーケースの冷凍機から出る排熱を利用する全熱交換ユニットだ。通常は多くのエネルギーを要する除湿や昇温を、排熱の再利用で行う。冬季は暖房としても機能する。

この設備で押さえておきたいのが、捨てられていた2つのものを組み合わせている点だ。

1つが冷凍機の排熱にあたる。ショーケースは庫内を冷やす一方で、その裏側では熱を出している。この熱は通常、店外や天井に排出されるもので、使われることはない。

もう1つがショーケースから漏れる冷気だ。冷気は重いため床に溜まり、ショーケースの前の通路に滞留する。この状態は「コールドアイル」と呼ばれる。Drynalはこの冷気を冷却に使い、除湿にかかるエネルギーを大幅に減らしたとしている。

除湿の工程は、空気を冷やして水分を落とし、その後に温度を戻す流れになる。冷やす側と温める側の両方にエネルギーが必要な仕組みだ。排熱を昇温に、漏れ冷気を冷却に充てる構成であれば、どちらも店内に既にあるものでまかなえることになる。

審査員は、これまで活用されていなかった排熱を店舗環境の改善に生かした点を評価したとしている。本来は捨てられていた熱を店舗環境の改善に使う構成だ。あわせて、排熱利用の考え方が今後の店舗設備の標準になることにも期待を示している。

効果としては、店内の結露やカビの発生を抑える点が挙げられている。

結露とカビは、冷凍冷蔵のショーケースを置く売場では実際に起こる課題にあたる。ショーケースの周辺は温度差が大きく、湿度が高ければ水滴が付く。床に水が出れば滑りの危険につながり、商品やラベルにも影響が出る。カビの発生は衛生面の問題になる。

これらに対処する手段として除湿を強めれば、その分の電力がかかる。売場の面積が広く、ショーケースの台数が多い店舗であれば、除湿の負荷も大きくなる。排熱と漏れ冷気を使って除湿する構成は、この負荷を抑える方向になる。

設置のしやすさも示されている。大掛かりな設置工事が不要で、既存店舗にも導入しやすいとしている。

この点は、設備投資の判断に関わってくる。店舗の設備を入れ替える場合、通常は改装や建て替えのタイミングに合わせることになる。大規模な工事が必要であれば、営業を止める期間も生じる。工事を伴わずに入れられる形であれば、改装の予定がない店舗でも検討の対象になる。

冬季に暖房として機能する点も、使い方の幅に関わる。夏は除湿、冬は暖房と季節によって役割が変わる構成であれば、年間を通して稼働する。除湿だけの設備であれば夏の時期に限られるが、両方に使えれば設置の判断もしやすくなる。

ショーケースの冷気が床に溜まる現象そのものは、売場では客が寒さを感じる要因にもなる。冷凍食品の棚の前は特に冷えやすく、滞在時間に影響する場面もある。この冷気を回収して別の用途に使う構成は、溜まる状態そのものを変える側面も持つ。

フクシマガリレイは大阪市西淀川区に本社を置き、業務用冷凍冷蔵庫や冷凍冷蔵ショーケースの製造・販売・メンテナンス、店舗・厨房システムの設計・施工を手がけている。資本金は4億円だ。

ガリレイホールディングスは1951年12月設立で、東証プライムに上場している。資本金は27億6,000万円だ。

なお、価格や発売日についての記載はない。

出典:ガリレイホールディングス株式会社 プレスリリース