株式会社デジタルガレージは、東京都北区の独自デジタル地域通貨「ほくペイ」のサービスを2026年10月5日に開始した。北区としては初の独自デジタル地域通貨にあたる。スマートフォンアプリとして提供し、アプリの開発からシステム構築、運用まではグループ会社の株式会社ポケットチェンジが担う。基盤には同社の「Pokepay」を使う。

サービス開始に合わせ、10月5日10時に北区の文化拠点「北とぴあ」で記念セレモニーを実施した。やまだ加奈子区長がサービス開始を宣言し、デモ決済を行っている。アプリストアでのダウンロードと決済利用、各種キャンペーンの申込受付も同日から始まった。

導入にあわせて3つのキャンペーンを用意している。

1つ目が「30%プレミアム付ほくペイ」で、発行総額は18億円規模だ。1口5,000円で6,500円分を利用できる形で、1口あたり1,500円分が上乗せになる。1人最大10口まで申し込めるため、5万円で6万5,000円分、最大1万5,000円分の上乗せを受けられる。区外からの通勤・通学者や来街者も購入と利用が可能だ。申込期間は10月5日から10月25日まで、当選連絡は11月2日10時以降にアプリで通知される予定で、利用期間は11月2日から2027年3月31日までとなる。

2つ目が「アプリリリース記念ダウンロードキャンペーン」で、先着6万人のアカウント登録完了者に500ポイント(500円相当)を付与する。3つ目が「区民認証キャンペーン」で、マイナンバーカードを使って「北区民認証」を完了した先着3万人に1,500ポイント(1,500円相当)を付与する。区民認証を行うと、クレジットカードからのチャージも使えるようになる。

区外の人も購入できる設計にしている点は、加盟店の側から見て押さえておきたい。通勤・通学者や来街者の購買も取り込めるため、区民向けに限定した商品券より来店の母数が広がる。利用期間が11月2日から2027年3月31日までの約5か月間に設定されているため、年末年始の需要にも重なる。

事業の背景として示されているのが、前回の施策の経験だ。北区では令和6年度に「PayPay」を使ったプレミアム付デジタル商品券を実施している。その経験から、施策ごとに柔軟な設定ができ、区が利用データを収集・活用できる仕組みが求められたという。

既存の決済サービスに乗る形から独自の地域通貨へ移行する流れは、他の自治体でも見られる動きだ。独自の仕組みを持てば、施策の対象や付与の条件を自治体側で設計できる。一方で、加盟店の登録や利用者へのアプリの普及は、自治体と事業者が一から進める必要がある。

「ほくペイ」には「ミッション機能」も備わる。ボランティアや健康増進など区の施策に参加するとポイントが付与される仕組みだ。区は経済活性化と、地域活動への参加を促す行動変容の両方を目的に据えている。決済手段としてだけでなく、参加の対価を配る仕組みとして使う組み立てになる。

やまだ区長はコメントのなかで、人と人との交流や支え合いを大切にし、データ分析を踏まえて「ほくペイ」を育てていく考えを示した。デジタルガレージ代表取締役兼社長執行役員グループCEOの林郁氏は、決済データの活用や地域経済の活性化を支援していく考えを述べている。

基盤の「Pokepay」は、自治体などが独自の電子マネーを発行できるSaaS型のプラットフォームだ。福井県の地域通貨、渋谷区の「ハチペイ」、前橋市の「めぶくPay」などで採用されている。

対象加盟店と申込方法の詳細は、公式サイトで案内されている。

出典:株式会社デジタルガレージ プレスリリース