生活協同組合コープこうべは、JA兵庫六甲との協働で「CO・OP NEXT100商品」として「兵庫県産三田市から枝豆(丹波黒黒大豆)規格外」を供給している。価格は税抜で500gが298円、1kgが580円だ。一部店舗での数量限定となる。
供給の予定日は3日に分かれており、10月18日が「シーア」、10月21日がコープデイズ神戸北町、10月25日がコープ仁川となる。
この取り組みで押さえておきたいのが、選別の工程をどこに置くかという設計だ。
JA兵庫六甲では、丹波黒黒枝豆の収穫量の約3割が、さやの変色や破れなどで規格外となり廃棄されていた。規格外でも選別すればおいしく食べられるものが大半で、有効活用が課題だったとしている。
規格外品を売る場合、どこかの段階で選別が必要になる。出荷前に事業者が選別すれば、その作業の人手と時間がかかる。規格外品は単価が低いため、選別のコストが見合わない場面も出てくる。
今回の構成では、この工程を家庭に移している。コープこうべが「家庭で選別することを前提に安価で供給できないか」と提案し、2023年に店頭で初めて供給した形だ。以後毎年継続しており、今年で4年目にあたる。
選別の手間を買う側が負う代わりに価格を下げる形は、両者の条件が噛み合う構成になる。買う側は安く手に入れられる一方、使えない分を自分で除く作業が生じる。事業者側は選別のコストをかけずに出荷でき、廃棄していた分が売上になる。
価格を見ると、500gが298円で100gあたり約60円、1kgが580円で100gあたり58円だ。500gを2つ買えば596円になるため、1kgの方が16円安い計算になる。差は2.7%にとどまる。
容量による差を小さくしている構成は、買う量を客が選びやすい形になる。家庭で選別する前提であれば、どれだけの量を処理できるかは世帯によって変わる。1kgを買って選別しきれなければ、その分が無駄になる。500gと1kgで単価がほぼ同じであれば、量を無理に増やす必要がない。
提案した側がコープこうべである点も、役割として読める部分だ。
生産者の側から見れば、規格外品が3割出ることは把握していても、それをどう売るかは別の問題になる。出荷の規格は流通の過程で決まるものが多く、生産者が単独で変えられる範囲は限られる。小売の側であれば、どう並べてどう売るかを設計できる。選別を家庭に委ねるという形も、売り方の提案にあたる。
利用した組合員からは「ほとんどおいしく食べられた」「安価で購入できてとてもありがたい」といった声が寄せられているという。リピートしたいという意向も紹介されている。
4年続いている点は、この形が成立していることを示している。初年度は試みとして始めても、買う側の評価が低ければ続かない。規格外という表示で売る商品が繰り返し供給される形であれば、客の側にも前提が伝わっていることになる。
供給日が店舗ごとに1日ずつという設定も、商材の性質と関わる。枝豆は収穫の時期が限られ、鮮度も落ちやすい生鮮品にあたる。収穫してすぐに売る必要があるため、長期間並べる形は取りにくい。3店舗に日を分けて配分する構成になる。
「CO・OP NEXT100商品」は、規格外品の有効活用や地域活性化などの地域課題解決を目的に、生産者・取引先・コープこうべが協同で商品開発を進める取り組みだ。組合員も活動に関わっている。
同組合は、食品廃棄の削減、生産者への還元、持続可能な農業の確立を目指すとしている。