中小企業省力化投資補助金の一般型は、第8回の応募申請を2026年9月18日(金)に開始し、締切は2026年10月16日(金)17:00です。カタログ注文型は補助上限額が最大1,500万円、一般型は最大1億円で、人手不足に悩む中小企業の設備投資を支援します。

対象になりやすいのは、レジ待ちや配膳、仕込みに人手を取られているスーパー、コンビニ、ドラッグストア、飲食店、居酒屋、カフェなどです。セルフレジや券売機、配膳ロボット、スチームコンベクションオーブンなどは、カタログ注文型の製品カテゴリとして中小企業庁の解説に挙げられています。

この記事では、カタログ注文型と一般型の違い、補助上限額と補助率、申請の流れ、賃上げ要件、不採択や返還を避けるための注意点を整理します。金額や日程は2026年9月27日時点で公式サイトと公募要領で確認できたものです。申請前には必ず最新の公募要領を確認してください。

省力化投資補助金の2つの型:カタログ注文型と一般型

中小企業省力化投資補助金は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が事務局サイトを運営する補助金です。申請の方式は「カタログ注文型」と「一般型」の2つに分かれています。

カタログ注文型は、事務局の製品カタログに登録された省力化製品から選んで導入する方式です。一般型は、店舗や工場ごとの課題に合わせたオーダーメイドの設備導入やシステム構築を支援する方式です。

項目カタログ注文型一般型
対象となる投資カタログに登録された汎用の省力化製品個別の現場に合わせた設備導入・システム構築
補助上限額最大1,500万円(従業員数と賃上げ有無で変動)最大1億円(従業員数と賃上げ有無で変動)
補助率1/2以下中小企業1/2、小規模企業者・再生事業者2/3など(公募回で要確認)
申請方法販売事業者と共同で申請事業者が事業計画を作成して申請
受付随時受付(令和9年3月末頃まで予定)公募回ごとに締切あり(第8回は2026年10月16日17:00締切)

「決まった製品をすばやく入れたい」ならカタログ注文型、「厨房全体の動線を変えたい」「複数の機器を連携させたい」なら一般型が候補になります。どちらもGビズIDプライムアカウントの取得が必須です。

カタログ注文型:セルフレジ・券売機・配膳ロボを選んで導入

補助上限額と補助率

カタログ注文型の補助上限額は、常勤従業員数で決まります。2026年3月19日版の公募要領では、次のとおりです。

常勤従業員数補助上限額大幅な賃上げを行う場合の上限額補助率
5人以下500万円750万円1/2以下
6〜20人750万円1,000万円1/2以下
21人以上1,000万円1,500万円1/2以下

補助率は1/2以下で、製品の購入価格が製品ごとに設定された補助上限額の2倍を上回る場合は、1/2未満になります。たとえば購入価格300万円の製品なら、補助額は最大で半分の150万円が目安です。ただし製品ごとの上限額が150万円未満であれば、その上限額までになります。

小売・外食で使われる製品カテゴリ

中小企業庁のミラサポplusの解説では、カタログの製品カテゴリの例として、清掃・配膳ロボット、券売機、セルフレジ、スチームコンベクションオーブン、自動化搬送機(AGV/AMR)などが挙げられています。スーパーやドラッグストアならセルフレジ、ラーメン店や定食店なら券売機、ファミリー向けの飲食店なら配膳ロボットといった使い方が考えられます。

製品の「置き換え」は原則として対象外です。ただし中小企業庁は2024年10月7日、券売機とスチームコンベクションオーブンについて、特定の機能・性能を持つ製品への置き換えなら交付申請を可能にしたと発表しました。古い券売機を買い替える場合も、条件を満たすか製品カタログで確認しましょう。

販売事業者との共同申請

カタログ注文型は、中小企業等と、事務局に登録された販売事業者が共同で申請します。販売事業者が製品の説明や申請の手続きをサポートし、事業計画はA4で1ページ程度と簡便なのが特徴です。

補助事業の実施期間は、交付決定日から原則12か月以内です。この期間に契約、納品、支払いを済ませ、実績報告を提出する必要があります。

一般型:店舗に合わせたオーダーメイドの省力化

第8回の日程

一般型の第8回公募要領は2026年8月18日に公開されました。応募申請の受付は2026年9月18日(金)10:00に始まり、締切は2026年10月16日(金)17:00です。中小企業庁の案内では、採択発表は2027年2月上旬の予定です。

補助上限額と補助率

中小機構のJ-Net21が伝えた第8回の概要では、補助上限額は従業員数に応じて次のとおりです。大幅な賃上げを行う場合は、250万〜2,000万円が上乗せされます。

従業員数補助上限額
5人以下750万円
6〜20人1,500万円
21〜50人3,000万円
51〜100人5,000万円
101人以上8,000万円

101人以上で8,000万円に最大2,000万円が上乗せされると、トップページに示された最大1億円になります。補助率は中小企業が1/2、小規模企業者・再生事業者が2/3が基本で、最低賃金引上げの特例などで引き上げられる場合があります。補助額が大きい部分の補助率など細かな条件は、第8回の公募要領で確認してください。

事業計画と基本要件

一般型は、3〜5年の事業計画を作ることが求められます。第5回の公募要領では、労働生産性の年平均成長率4.0%以上の向上、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上の増加、事業場内最低賃金を毎年地域別最低賃金+30円以上とすることが基本要件でした。第8回で条件が変わっていないか、必ず最新の公募要領で確かめましょう。

申請の流れと賃上げ要件

カタログ注文型の申請の流れ

  1. GビズIDプライムアカウントを取得する
  2. 製品カタログから導入したい製品を選ぶ
  3. 登録された販売事業者と商談する
  4. 販売事業者と共同で事業計画を作り、申請する
  5. 交付決定後に契約・納品・支払いを行い、実績報告を出す
  6. 補助金の受け取り後、3年間、毎年度の効果報告を出す

効果報告では、労働生産性を年平均成長率3.0%以上向上させることが目標とされています。

賃上げで補助上限額を引き上げる条件

カタログ注文型で上限額を引き上げるには、申請時と比べて、事業場内最低賃金を3.0%以上、給与支給総額を6%以上増やす事業計画が必要です。どちらも補助事業の実施期間の終了時点で達成する見込みであることが求められます。

時給1,100円のパートが最も低い時給なら、3.0%以上の引上げで1,133円以上が目安です。最低賃金の改定そのものに追いつくだけで賃上げ幅を使い切ることもあるため、ストアガイドの関連記事「2026年度最低賃金」もあわせて確認し、無理のない計画を立ててください。

不採択・返還を避けるための注意点

補助金は「申請すれば必ずもらえる」ものではありません。一般型は審査で採択・不採択が決まり、カタログ注文型も要件を満たさないと交付されません。

  • 交付決定の前に契約・発注した製品は、原則として補助対象になりません。
  • カタログ注文型で賃上げの目標を達成できない場合、補助額が減額されます。
  • 導入した製品を使わずに放置したり、省力化を理由に人員を解雇したりしたことがわかると、補助金の返還を求められる場合があります。
  • 一般型の第5回公募要領では、1人当たり給与支給総額や事業場内最低賃金の目標を達成できない場合の返還ルールが定められていました。

効果報告を出し忘れても不利益が生じるおそれがあります。導入後の報告まで担当者を決めておくと安心です。

申請前のチェックリスト

  • □ GビズIDプライムアカウントを取得したか
  • □ 常勤従業員数を数え、補助上限額の区分を確認したか
  • □ 導入したい製品がカタログに登録されているか確認したか
  • □ 置き換えの場合、券売機・スチームコンベクションオーブンなど対象の条件を満たすか確認したか
  • □ 登録された販売事業者と見積もり・納期を確認したか
  • □ 賃上げで上限額を引き上げる場合、人件費の増加に耐えられるか試算したか
  • □ 一般型の場合、2026年10月16日17:00の締切に間に合う日程を組んだか
  • □ 最新の公募要領を読み、変更点を確認したか

よくある質問

Q. セルフレジを1台だけ導入する場合も申請できますか?

A. カタログに登録されたセルフレジであれば、カタログ注文型で申請できる可能性があります。補助額は購入価格の1/2以下で、製品ごとの上限額もあるため、販売事業者に見積もりと補助額の目安を確認してください。

Q. カタログ注文型と一般型は同時に使えますか?

A. 併用の可否や、同じ製品で重ねて補助を受けられるかは公募要領で定められています。自己判断せず、事務局のコールセンターや最新の公募要領で確認してください。

Q. 一般型の第8回の締切はいつですか?

A. 2026年10月16日(金)17:00です。電子申請のため、GビズIDプライムの取得や書類の準備に時間がかかる点に注意してください。

Q. 賃上げしないと申請できませんか?

A. カタログ注文型では、賃上げは補助上限額を引き上げるための条件です。一般型では給与支給総額などの基本要件があるため、公募要領で確認が必要です。

まとめ

中小企業省力化投資補助金は、カタログ注文型で最大1,500万円、一般型で最大1億円を補助する制度です。セルフレジ、券売機、配膳ロボット、スチームコンベクションオーブンなど、小売・外食の人手不足に直結する製品が対象になり得ます。

手軽さを重視するならカタログ注文型、店舗全体の省力化を設計するなら一般型が向いています。一般型の第8回は2026年10月16日17:00締切です。賃上げ要件と返還ルールを理解したうえで、最新の公募要領を確認して申請を進めてください。

出典